Shopifyとは?初心者から上級者まで使える機能やメリット・デメリットを紹介
2024.10.31
更新日: 2024.12.9
従来、洋服や靴は、実物を手に取ったり試着したりしてから購入するのが一般的でした。しかし、EC(電子商取引)サイトの普及によりオンラインでの購入が増えています。
この記事では、実店舗運営に加え、オンライン販売を検討しているアパレル事業者の方に、アパレルECの基礎知識と効果的な運営方法を詳しく解説します。
EC導入で新たな顧客動線を構築する方法や、運営時の課題、そして成功するポイントなどの情報も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
アパレルECとは、インターネット上で衣料品を販売することを指します。
新型コロナウイルスの影響で外出自粛が続いた2020年以降、多くのアパレル企業がECを強化しました。
充実した口コミやレビューを参考に、時間を気にせずショッピングできる点がECのメリットです。しかし、その一方で、実際に商品を手に取り、目で見てチェックできないというデメリットもあります。
それでは、次に、アパレルECの種類、つまり「ビジネス形態」についてご説明します。
アパレルECには、以下の3つのタイプがあります。
ECモールは、複数のECサイトが集まる大型のショッピングモールのようなプラットフォームです。代表例としては、ZOZOTOWNやAmazon、楽天市場などがあります。
ECモールは、初期コストを抑制できる上に、多くのユーザーが集まるため集客しやすいのが特徴です。しかし、モール規約に従う必要からカスタマイズや機能には制限があり、他店と価格で比較されやすいため競争が激化するなどの難点もあります。
自社ECとは、自社ブランドの商品をオンラインで直接販売する、独自に立ち上げたECサイトのことです。
実店舗と連携して販売できることがポイントで、初期コストはかかるものの、自由にサイトを構築・運営できます。
アパレルECでは、何より商品の世界観やブランディングが重要です。
それを自由に表現できる自社ECは、ユーザーに強く訴求できることがアドバンテージとなります。
また、ECモールとは違い、データ収集に制限がないため、広範なデータを基に効果的な施策を打ちだせる点もメリットでしょう。
関連記事:【徹底比較】モール型ECサイトとは?自社ECサイトとの違いも踏まえて紹介
サブスクリプションは、月額や年額などの定額料金で一定期間サービスを利用できるビジネスモデルです。
アパレルのサブスクリプションでは、「エアークローゼット」や「メチャカリ」などが代表例です。定額で洋服が借り放題で、スタイリストの選んだ服が定期的に届くため、ファッションに敏感な層から絶大な人気を得ています。
サブスクリプションでは、クリーニングやメンテナンスが事業者持ちなので、顧客は手軽に利用できます。
また、サブスクリプションにすることによって、安定したり、新作をPRするのにも絶好の機会となっているのです。
ファッションやアパレルのオンライン市場は、時代や環境の変化、さらにはコロナなど感染症の影響まで受け、常に変化しています。
ここからは、現在のアパレルECがどのように進化していくのか、トレンドを分析してみましょう。
コロナ禍で実店舗での接客が難しい時期に、アパレル企業の多くは、ECサイトやSNSを活用して1対1のオンライン接客を推進しました。
その後、コロナの行動制限が緩和されると、オンライン接客に加え、ライブ配信で商品を紹介・販売するライブコマースが増加。オンライン接客がさらに充実しました。
それらの影響で、今まで対象とならなかった、遠くにいる顧客にも商品を紹介できます。
今後もオンライン接客は、さらに充実し増加していくでしょう。
ファッション・アパレル業界では、サステナビリティ・トランスフォーメーション(持続可能な変革)が進んでおり、衣料品リサイクルやダイバーシティ(多様な人々の共存)への取り組みが増えています。
すなわち、大量生産・大量消費のリニア・エコノミーから、資源を循環させるサーキュラー・エコノミーへの転換が求められているのです。
その結果、ZOZOTOWNのように、古着を販売するECサイトやサステナブルファッション専門のECサイトが増加しました。
また、リセールプラットフォームを保有するアパレル事業者も急増しています。
ショールーミングとは、消費者が実店舗で商品を確認した上で、オンライン購入することを指します。
コロナ禍を背景に、見本商品だけを店舗に置き、販売はオンラインで行うアパレルブランドが増加しました。
また、ある調査結果では、「初めてのブランドは実店舗で購入したい」消費者が5割を超えており、実商品の確認が重視される傾向が明らかとなりました。
今後、益々、ECと実店舗を融合した利便性の高いショップ作り戦略が重視されていくでしょう。
アパレルEC市場は年々成長を続けていますが、利用者の増加に伴い、オンラインならではの課題も明らかになってきました。
そこで、アパレルECが今後も発展していくために、解決すべき課題について考えてみましょう。
アパレルに限らず、ECの一番の課題といえるのは、商品を実際に見ることができないことです。
そのため、オンラインショッピングでは、試着ができません。商品が届くまでサイズが合うかどうかわからないのです。
そこで、アパレルECではサイズ選びの支援として、前回の購入品や身長など体型データをもとに適切なサイズを提案するシステムを導入しています。
さらに、無料で返品・交換してくれるサイトもあり、顧客の不安を払拭しようと努力しています。
アパレルECでは、在庫管理が複雑になりがちです。数多くのアイテムを取り扱い、シーズンごとに商品の入れ替えをしなければならないからです。
さらに、アイテムごとにサイズ違いが存在する場合、その複雑さはさらに増すことでしょう。
とくに実店舗や自社ECサイト、ECモール内の自社店舗など、複数の販売チャネルを運営している場合は、なおさら煩雑化します。
しかし、在庫管理が適切に行われないと販売機会を失い、顧客の不満につながることがあります。
顧客満足度を高めるためにも、在庫を一元管理できるシステムの導入や、外部委託サービスの利用が必要です。
ECサイトと実店舗との共存は難しい課題です。
ECの売上が拡大する一方で、実店舗は高い管理費により利益率が低下し閉鎖を余儀なくされることもあるでしょう。
しかし、店舗閉鎖は、雇用やブランド力低下が懸念されるため、可能な限り相互補完が求められます。
大手業者の具体例としては、ECサイトで購入した商品を実店舗で受け取ったり、ECサイトで検索し店舗で決済した後、商品を自宅へ配送したりするなど、新たなしくみが作られています。
今後は、オムニチャネル戦略など、垣根をなくした新たな購買システムの導入が進められていくでしょう。
EC市場への企業参入が増える中で、ブランドが自社製品を選んでもらうためには、他社との差別化が重要になります。
例えば、ユーザーとの接点を増やすためのオムニチャネル戦略や、ブランドや商品の魅力を伝えるためのInstagramなど視覚に訴えるツールを活用した新たな取り組みが求められます。
また、ECサイトの機能を充実させて利便性を向上し、ユーザーが快適に買い物できる環境を整えることも大切です。
ここまで、アパレルECの課題について考えてきましたが、最後に、アパレルECを成功させるためのポイントをご紹介します。
アパレルECにおいて、SNSやサイトの口コミは重要な情報源となります。実際に使った人の評価が反映される口コミは、サイズ感や質感など、顧客の知りたい情報が満載で、購入前の不安を和らげてくれる効果もあります。
また、InstagramやPinterestは視覚的な情報発信に適しており、商品の魅力を効果的に伝えられます。さらに、レビューや口コミの収集と活用により、製品改善にもつながり、リピーターを多く獲得できたというケースもあるのです。
オムニチャネルとは、実店舗とECサイトなどを連携させることで、顧客にシームレスな媒体を提供します。
これにより、顧客データや在庫情報を一元管理し、業務の大幅な効率化が期待できます。
たとえば、ECで購入した商品の店舗受け取りや、店舗・EC共通のポイント連携が可能になるのです。
また、統合データにより顧客分析の精度が上がり、ニーズに合った施策を実行できるため、売上向上にもつながるでしょう。
商品の魅力や使い方をわかりやすく伝えるには、動画や写真の活用が欠かせません。試着が難しいオンラインストアでは、商品の着用イメージや素材の質感をリアルに届けることで、大きなアドバンテージが得られます。
モデルやインフルエンサーを起用しなくても、スタッフや店員が動画やライブ配信で商品を紹介するだけで十分な効果が期待できるのです。
アパレルECを成功させるには、自社ECサイトの立ち上げがおすすめです。ECモールのみの出店では、集客競争が激しい上にお店目当ての顧客は少なく、収益拡大は困難です。
自社ECでは価格競争の影響が少なく、サイトのカスタマイズも容易で、自社ブランドの世界観を強くアピールできます。さらに、顧客データを活用することで売上向上やファンを獲得しやすくなり、他サイトとの差別化も図れるのです。
関連記事:【ネットショップランキングTOP5】成功するポイントと伸び悩んだときの対処法
インターネット上で衣料品を売買するアパレルECは増加の一途をたどっていますが、課題もあります。例えば、実店舗との共存や競合ショップとの差別化です。
アパレルECで成功を収めるためには、自社ECサイトの立ち上げやオムニチャネル戦略で顧客の接点を増やし、ブランドをアピールすることが重要です。
オンライン接客やサステナブルな取り組みも求められる中、SNSやレビューを活用して商品情報を効果的に発信し、売上やファンの獲得につなげていきましょう。
アパレルECは、アパレル業界の生き残りに欠かせないプラットフォームですが、成功するためには多くの課題があります。売上の向上やファン獲得に向けた戦略をお考えなら、ぜひピュアフラットにご相談ください。
関連記事:ECモールの店舗経営でお困りの方必見
アパレルECの比率は?
最近のアパレル業界におけるEC取引の割合、つまり「EC化率」は着実に上昇しています。 経済産業省のデータによれば、2022年のアパレルECにおけるEC化率は21.5%となっています。2019年から2020年にかけて急上昇し、現在ではアパレルの売上の5分の1以上をECが占めるまでに至りました。
アパレルECの仕事内容は?
アパレルECの仕事内容は、実店舗型とショッピングモール型で異なります。 実店舗型の場合、店舗の在庫から商品を取り出して梱包し、発送します。アパレル販売の経験があれば、ECの経験がなくても対応可能でしょう。 一方、ショッピングモール型では、倉庫から商品をピックアップし、発送する作業が主になります。ただし、実店舗型に比べると作業は複雑になります。急ぎの発送など有料オプションがあるため、優先順位を考慮して作業しなければならないからです。
監修者情報
柴田 達郎
株式会社ピュアフラット ECコンサルタント
EC業界歴15年。大手アパレル会社に入社後ECサイトをゼロから立ち上げを行い10億規模までスケール。
その後、大手美容家電メーカーに入社し、主にマッサージガンなど美容家電のECサイト運営責任者を担当。
多様なモールでの販売戦略、データ分析を通じた売上拡大、広告運用やCRMにおいても成果を上げ、売上数十億円達成。