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2024.11.25
更新日: 2024.12.9
Amazonで広告を出している方なら必ず知っておくべき指標、「ACoS」。
しかし、その定義や意味、平均値は?と問われると、意外と知らない方も多いのではないかと思います。
そこで今回はACoSの定義や意味、平均値から改善方法まで、詳しく解説します。
そもそもACoSとは何でしょうか。
ACoSと書いて、何と読むのでしょうか。どのように計算されるのでしょうか。
まずはACoSの定義についてお伝えします。
まず、ACoSはどう読むのでしょうか。実は、明確な読み方は決まっていません。
文字のまま「エーシーオーエス」と読んだり、「エーコス」と読んだり、人や個人によって読み方はさまざまなようです。
どちらで読んでも問題ないですが、「エーシーオーエス」と聞いてACoSが浮かばない人はそうそういないと思われますので、まだどちらで読む習慣もついていない人は、「エーシーオーエス」と読むとよいのではないでしょうか。
ACoSは、Amazon広告の運用効率を測るために用いられる指標で、正式には、「Advertising Cost of Sale」、日本語では「広告費売上高比率」と呼ばれます。
ACoS=(Amazon広告に投資した金額)÷(Amazon広告経由での売上高)×100(%)
と計算されます。
ACoSが意味するのは、「Amazon広告運用の効率の良さ」です。
ACoSの値が小さければ小さいほど、Amazon広告を効率よく運用できていることになります。
ACoSの意味を日本語で言い表すなら、「1円の売上を上げるのにいくらの広告費がかかっているか」を表す指標です。
つまり、会社の資本をいかに効率よく売上に変えられているかを表す指標なので、経営指標の1つとしてとても重要です。
ACoSと混同されがちなのが「ROAS」です。
どちらも広告運用の効率を表す点では同じですが、混在しやすいので、ここでしっかりと違いを認識しておきましょう。
まず、ROASの定義を確認しましょう。
ROASとは、「Return On Advertising Spend」の略で、
ROAS=(広告経由での売上高)÷(広告費用)×100(%)
と計算されます。
つまり、ROASが表すことは、「1円の広告費が生み出す売上高」です。
ROASは、ACoSと同じく広告運用の効率の良さを測る指標ですが、分母と分子が逆になっています。
縦に並べてよく見てみましょう。
ACoS=(広告費)÷(売上高)×100(%)
ROAS=(売上高)÷(広告費)×100(%)
つまり、ACoSは小さければ小さいほど、ROASは大きければ大きいほど、広告を効率よく運用できていることを意味します。
では、なぜこのように紛らわしい指標が、それぞれ存在するのでしょうか。
結論を言うと、ROASとACoSは、それぞれ分析する観点・目的が異なるからです。以下で解説します。
Amazonに限らず、店舗運営、あるいは経営において最も重要な指標は「利益」です。
企業の活動の目的は、この利益を最大化することです。
そして、利益を最大化するための方法は、「売上最大」と「経費最小」です。
ROASはこのうち「売上最大」の観点を反映した数値です。
つまり、ROASは「同じ広告費を使うのであれば、少しでも売上が上がるように運用しよう」という考え方を反映しています。
一方、ACoSの方は、「経費最小」の観点を反映した数値です。
つまり、ACoSは「同じ売上を上げるのであれば、できるだけ経費がかからない方法を採用しよう」という考え方を反映しています。
このように、ROASとACoSは、観点の違いはあるものの、ともに広告運用の効率の良さを分析する指標です。
そのため、どちらか一方のみを使って広告運用のPDCAを回せばよいのですが、Amazonにおいては、ACoSの方がよく使われるので、Amazon担当者は覚えておきましょう。
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ここからはAmazonで広告運用を行う上で知っておくべき用語を解説していきます。
頻度高く目にする用語となりますので、しっかり覚えておきましょう。
広告クリエイティブとは、Amazon広告を掲載するためのバナー(画像)・動画・テキストなど、広告素材のことを言います。
ユーザーにとって一番目につきやすい広告であるため、広告成果に直結しやすい要素となります。
広告フォーマットとは、広告の種類のことを言います。
Amazonにおける広告フォーマットは、以下の7種類です。
オーディエンスとは、広告を配信する上での”ターゲット”を意味します。
主なターゲット要素は
他にも細かなターゲット設定をすることで、より良い広告成果が期待できます。
広告インプレッションとは、Amazon広告がユーザーに表示された回数のことを言います。
さらに、Amazon広告を通して商品が売れた割合のことを、Amazonではユニットセッション率と呼びます。
【ユニットセッション率の算出方法】
ユニットセッション率(%)=注文数÷ユーザー数×100(%)
コンバージョン数(CV)とは、Amazon広告を経由して、以下のアクションに繋がった回数のことを言います。
【コンバージョン率の算出方法】
コンバージョン率(CVR)=コンバージョン数(CV)÷アクセス数×100(%)
コンバージョン率(CVR)とは、Amazon広告のクリック数に対して、コンバージョン(購入・カート追加)に繋がった割合のことを言います。
【コンバージョン率の算出方法】
コンバージョン率(%)=コンバージョン数➗広告クリック数×100
コンバージョン単価(CPA)とは、1件あたりのコンバージョンに対しての広告単価のことを言います。
広告において、費用対効果を測るために使用される指標となり、1人あたりの広告費用を算出する際に用います。
例えば
広告費50万円
コンバージョン数が50件
上記の場合、コンバージョン単価は1万円となります。
クリック単価(CPC)とは、Amazon広告を1クリックする際の平均支出額のことを言います。
広告がクリックされた分だけ広告費用が発生します。
よって、キーワードの需要が高く、さらに広告の掲載枠が多いほど、広告費が高くなる仕組みです。
【クリック単価の算出方法】
クリック単価=広告費➗クリック数
クリックスルー率(CTR)とは、ユーザーの目に触れたインプレッション数に対して、実際にクリックされた回数の割合のことを言います。
【クリックスルー率の算出方法】
クリックスルー率(%)=クリック数➗インプレッション数
ユニットセッション率とは、商品ページから実際に商品が売れた割合のことを言います。
商品ページの効果を測定するために、非常に重要な指標です。
【ユニットセッション率の算出方法】
ユニットセッション率(%)=注文数➗ユーザー数×100(%)
ここまでで、ACoSの数値が低ければ低いほど広告運用の効率がよいということがわかりました。
では、「低い」とは、具体的にどのくらいの数値になればよいのでしょうか。
「広告運用がうまくいっている」「効率よく広告を回せている」と言えるのは、ACoSがどれくらいの数値になった場合を言うのでしょうか。
一般的に、ACoSは20〜30%が平均値で、20%を下回ると広告の効率がよいと言われています。
ただし、これはあくまで目安であり、取り扱う製品の種類や利益率によっても最適値は変わってきます。
例えば、元の原価率が40%の商品であれば、ACoSが20%だったとしても、20%の利益が残るので問題ありません。
しかし、元の原価率が15%の商品の場合、ACoSが20%だと、広告比率が利益率を上回ってしまい、赤字になってしまうため、ACoSの数値をさらに下げる必要があります。
では、ACoSを下げるには、どんな方法があるのでしょうか。
数多くの打ち手が考えられますが、ここでは、主な方法を3つ、ご紹介します。
まず1つ目は、広告単価の見直しです。
Amazon広告の最適な入札金額は、毎日変わります。
Amazonが算出する「推奨入札額」で把握できる「競合の入札額」をもとに、自社広告の表示位置なども加味しながら、入札金額を最適化する必要があります。
推奨入札金額よりも高い金額を自社の入札金額に設定すると、広告がより上位に表示されやすくなり、売上につながりやすくもなります。
しかし、自社の入札金額を必要以上に高く設定してしまうと、「本来ならもっと低い広告金額でも売れたのに」という無駄が発生することになります。
他社より上位表示される入札金額を維持しながらも、できるだけ無駄のない広告単価を、毎日見極め、更新し続ける必要があります。
▶︎Amazon広告の運用方法について詳しくはこちら
ACoSを下げる方法2つ目は、広告のキーワードの見直しです。
Amazonでは、全く同じ広告を流す場合でも、「どのキーワードに対して広告を表示させるか」という設定次第で、広告単価が大きく変わります。
そのため、広告単価を見直すのと同時に、他のキーワードに比べてACoSが高いキーワードを除外キーワードに設定するなどして、無駄な広告費の削減に努める必要があります。
ACoSを下げる方法3つ目は、商品詳細ページの改善を行うことです。
商品詳細ページの情報を充実させることで、Amazon広告のコンバージョン率向上へ繋げることができます。
タイトルには商品名だけでなく、メーカー名や特徴などを記載することで、視認性が高まります。
一方、詳細を記載できる欄には、情報を詰め込みすぎずユーザーが知りたい情報をシンプルに伝えることが重要となります。
▶︎Amazonの商品登録について詳しくはこちら
ACoSを下げる方法4つ目は、適切なターゲット設定の見直しを行うことです。
Amazon広告には2種類のターゲット設定があります。
1のオートターゲティングは自動的に選定されたキーワードに対して広告をかけてくれる方法です。
自動的にキーワードを選定してくれる分、初心者には大変便利な機能となりますが、費用対効果の高いキーワードのみに絞ることはできないというデメリットもあります。
一方、2のマニュアルターゲティングは自身でカテゴリー、キーワードなどを設定することができます。
よって、効果の悪いターゲットを除外することができ、最適化へと繋げていけることが最大のメリットです。
▶︎Amazonのキーワード戦略について詳しくはこちら
ACoSを下げる方法、最後にご紹介するのは、「ユニットセッション率を上げること」です。
ここでいうユニットセッション率とは、広告をクリックして商品ページを訪れたユーザーが、次のステップ(商品をカートに入れる、即購入する)に進む割合のことです。
Amazonの広告は、実際に商品が売れたかどうかに関係なく、広告がクリックされた時点で費用が発生するので、広告をクリックした先で購入に至らないユーザーが多いと、ACoSは大きく下がってしまいます。
ユニットセッション率を上げるための方法は、「商品をより魅力的に見せること」です。
具体的な施策としては、商品詳細ページをより詳細に作り込む、カスタマーレビューを増やす、といった例が挙げられます。
このように、Amazonの広告の運用効率を最大化するには、絶妙な広告単価をピンポイントで設定し続ける必要があり、かなりの労力と専門知識を必要とします。
ピュアフラットでは、広告運用を日次で行い、お客様の売上アップにコミットしています。
コンサルティングや運営代行によるサービス提供をしながら、運用費完全無料で、広告運用を代行しています。
これは、店舗の売上を上げていくうえで、広告が果たす重要性を理解し、実績を上げ続けてきたからこそのサービスです。
以上、Amazon広告の効率性を表すACoSと、その数値の意義、改善の仕方についてお伝えしました。
Amazonに広告を出稿する企業はとても多く、その中で売上を上げつつ費用を最小化するのは簡単なことではありません。
思い切って外部企業にコンサルや運用代行を依頼した方が、かえって安く済む可能性もあります。
まずは、専門業者に問合せてみるのがよいでしょう。
ACoSとは何ですか?
ACOsとは、「Advertising Cost of Sale」の略で、日本語では「広告費売上高比率」と呼ばれます。「広告費÷広告経由での売上高×100(%)」で算出される、「1円の売上をあげるのにいくらの広告費を使ったのか」を表す数値です。 ACoSは低ければ低いほど広告の効率がよいことを意味し、扱う商品や利益率にもよりますが、20%を下回ると優秀と言われています。
ACoSとROASの違いを教えてください。
ACoSとROASの違いは、以下の通りです。 ACoS:1円の売上を上げるのにいくらの広告費を使ったか ROAS:1円の広告費でいくらの売上を上げたか つまり、ACoSの値は小さければ小さいほど、逆にROASの値は大きければ大きいほど、広告を効率よく運用できていることになります。
監修者情報
柴田 達郎
株式会社ピュアフラット ECコンサルタント
EC業界歴15年。大手アパレル会社に入社後ECサイトをゼロから立ち上げを行い10億規模までスケール。
その後、大手美容家電メーカーに入社し、主にマッサージガンなど美容家電のECサイト運営責任者を担当。
多様なモールでの販売戦略、データ分析を通じた売上拡大、広告運用やCRMにおいても成果を上げ、売上数十億円達成。