更新日: 2024.4.25
楽天市場の運用において「アクセス数」は売上に直結する重要な要素です。
アクセス数を上げるためには、楽天市場が提供する広告・プロモーションの利用が欠かせません。
とはいえ、いくらアクセス数を増やすことに成功したとしても、広告費が利益を上回っては赤字なので意味がないでしょう。
広告を打つ際は、費用対効果を意識しながら予算を組む必要があります。
今回は楽天市場でROASを改善するためのポイントや、広告の種類を見直すための様々な提案をわかりやすく解説していきます。
ROAS(ロアス/Return On Advertising Spend)は、広告による売上÷広告費×100(%)によって計算されます。
簡単に言うと「売上を広告費で割ったもの」であり、高ければ高いほど広告費を多く回収できたということになります。
例えば100万円の広告費を回収するには原価などを踏まえると最低でも150万円は売上がほしいところでしょう。この場合、ROASは150万÷100万×100で150%ということで、ようやく利益が出始めるギリギリの合格ラインです。
ROASが150%以下の場合は赤字になってしまう可能性が高いため、楽天市場では150〜250%を目指すべき基準値としています。
しかし、実際に150%を上回っている店舗は半数以下とも言われています。では、ROASを改善するためにはどういった対策が必要になるでしょうか。
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ここからは楽天市場でROASを改善するためのポイントについて解説します。
楽天RPP広告では、転換率の低い商品を含めすべての商品が対象となります。
したがって、除外設定せずに運用を開始してしまうと転換率の低い商品も対象となり、すぐに広告予算を消化してしまいます。
店舗全体の転換率より著しく低い商品は個別で除外設定を行い、効率の良い広告運用をしていくことがROAS改善のポイントです。
店舗全体の転換率と比較して転換率が高い商品は、積極的に広告単価を上げていきましょう。
なぜならアクセスが集まっておらず転換率が高い商品は露出されれば転換率が高い傾向があるため、その分売上につながる可能性が高いといえるからです。
アクセスが上がれば転換率は若干下がる傾向にありますが、現状の転換率をキープできれば大きく売上が伸びるチャンス。
看板商品ともいえる転換率の高い商品は広告単価を上げて、売上拡大へ最大限に活かしましょう。
販売する商材に合わせて広告枠を選ぶのも一つの手です。
広告枠の中には「グルメ枠」や「ファッション枠」などジャンル限定のものがあります。しかし毎回同じ枠があるとは限らないため、もし見つけたら積極的に選びましょう。
また「1,000円ポッキリ枠」などの低価格商材や買い周り向けのメニューなどもあります。
自社の商品とマッチしたものを選択することで、より楽天市場広告の効果を高めることが可能です。
5日や20日などの「5と0のつく日」は、楽天市場のイベント期間において特に人が集まりやすい日です。
楽天市場では「5と0のつく日は楽天カード利用でポイント4倍」というキャンペーンを毎月行っており、アクセス人数アップが見込めます。
楽天市場広告を出稿する際は掲載期間に5と0のつく日が含まれる枠を選択することで、必然的にリーチ数を獲得することができるでしょう。
ポイントアップやクーポン配布など、店舗側でのオファーも強化すると良いでしょう。
せっかく広告経由で訪れたユーザーが魅力を感じられず離れてしまっては、意味がありません。期間限定にするなどの掲載期間が短い場合でも、瞬間的な起爆剤となってくれます。
広告だけに頼らず、店舗側でも転換率を高めるための対策を講じましょう。
CPOは「1件の注文を獲得するためにかかった広告費」を表します。
ROASとは違い商品の値段によって数値も大きく変わるため、「何円くらいがベスト」とはいえません。例えば1つ数百円のものを売るならCPOも数十円などと低く抑える必要がありますが、クルマや不動産のように1つに対して数百万、数千万円の商材を扱う場合は、CPOも数十万、数百万円に跳ね上がることもあるでしょう。
CPOは単体で見るよりもROASとセットで見ることで、広告戦略の成否をより正確に評価できます。
具体例を挙げて説明すると、
広告費200万円 注文数200件 客単価2万円
売上=200件×2万=400万円
このケースでは、ROASは400万÷200×100(%)=200%なので、かなり優秀な部類に入ります。一方、CPOは200万÷200=1万円なので、平均2万円の注文を1件獲得するために広告費が1万円かかったことになります。
2万円のうち、仮に粗利が8000円しかないのであれば、広告費が粗利を上回るため商売としては赤字です。
つまり、広告としては成功しているけれど、ビジネスとしては大いに改善の余地があるということになります。
楽天市場の広告にはそれぞれ特徴があり、効果のいい良い枠を見極めて選べるかどうかがポイントです。ここからは特徴や運用のポイントなどを解説していきます。
RPP広告とは | |
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RPP広告とは | 楽天市場の検索結果ページに商品が表示される広告 |
特徴 | ・楽天市場で検索している購入意欲の高いユーザーに効率的に訴求できるため、運用型広告の中でも重要な広告。 ・ユーザーの検索結果に対する商品の商品名やキャッチコピー、商品説明文の関連性、過去に購入した履歴やクリックに至った検索キーワードなども影響して順位が決まる。 |
運用のポイント | ・利益率の低い商品は外しておくこと ・なるべく売れ筋商品などのキーワードを設定すると良い |
▶︎楽天のRPP広告について詳しくはこちら
クーポンアドバンス広告とは | |
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クーポンアドバンス広告とは | 最適な商品値引額を予測して発行されたクーポンで集客し、購入を促す広告 |
特徴 | ・興味を持っているユーザーに対して「値引き」という訴求力を作れるため、複数ある楽天広告の中でも特に「購入」に強い広告 ・他の広告ほどのアクセス増加はないが、転換率アップが狙える広告。 |
運用のポイント | 自店舗で値引きができる商品や値引率が細かく決まっている場合は手動にし、商品数が多くて値引率に融通が利く場合は自動に設定するのがおすすめ |
CPA広告とは | |
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CPA広告とは | 広告経由の売上の20%が広告料金となる成果報酬型の広告 |
特徴 | ・設定を「有効」にするだけで、RMSに登録している商品から自動的にセレクトされる ・ ジャンルTOPの「ピックアップアイテム」や楽天市場の特集やイベントページ、楽天グループサービスやメールマガジンなど楽天市場内外に掲載される ・成果報酬型でROASが固定されることが魅力的なCPA広告だが、全商品を対象にすると広告費が大きくなってしまう |
運用のポイント | 利益率の低い商品だと、広告費20%は厳しいこともあるため、利益率の高い商品、広告を出稿したい商品に絞って運用する |
ターゲティング広告(TDA)とは | |
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TDA広告とは | 希望するセグメント条件でバナー配信が出来る広告 |
特徴 | ・セグメントと配信期間、予算の3つを設定すると、セグメントに合うユーザーにバナーが配信される ・設定するセグメントによってROASは変化するが、インプレッション課金のため基本的には購入促進よりも認知度をアップしたい店舗に向いている。 |
運用のポイント | 購入に繋がりやすいRPP広告やクーポンアドバンス広告、CPA広告などに予算を配分した上で使える予算がある場合にTDA広告を使うのがおすすめ。 |
▶︎楽天のTDA広告について詳しくはこちら
大型イベント広告とは | |
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大型イベント広告とは | 楽天スーパーセールやお買い物マラソン等の大型イベントの企画ページに掲載される広告 |
特徴 | ・特定の商品を探しているユーザーというよりもお得に買いたいユーザーが集まるため、ターゲットが広く衝動買いされやすい商品が向いている ・商品単価が安く購入頻度が高いものや食品やアパレルなどの店舗におすすめの広告 |
運用のポイント | アクセスしたユーザーに購入してもらうために、掲載期間にはクーポンの配布やポイント倍率のアップなどの転換率向上施策を一緒に実施したほうが良い |
▶︎楽天スーパーセールの売上対策について詳しくはこちら
シーズナル広告とは | |
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シーズナル広告とは | 母の日やお歳暮といった季節のイベントや商戦に合わせた特集ページに掲載できる広告 |
特徴 | 季節商材やギフト商材を扱っている店舗におすすめで、季節イベントで売上を最大化するために重要な広告 |
運用のポイント | ・シーズナル広告の特集ページには自店舗と同じジャンルの商品や近い商品が並ぶため、他店舗よりも魅力的に見せる画像やキャッチコピーが重要。 ・競合店舗の枠の抑え方によっても効果が変わってくるため、ベンチマークする店舗があれば広告の出し方や訴求している内容、早割やクーポン、ポイントアップなどの条件もチェックして、自店舗に活かしましょう。 |
ニュース広告とは | |
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ニュース広告とは | 楽天市場の会員に向けて、メールマガジンを広告として配信する形式のもの |
特徴 | ・特定の商品にアクセスを集中させることで短期的な売上を最大化し、ランキング戦略と相性の良い広告。 ・ランキング戦略とは、楽天市場のランキング上位に掲載されるとアクセスが増加し売上が上がるため、短期間で売上をつくってランキング掲載を狙うこと。 |
運用のポイント | ・特定の商品に一気にアクセスを集めることはできるが、商品やサービスが魅力的でなければ売上に繋がらない。 ・既に商品ページの充実も行った転換率が高い商品に対して、アクセスを集めたい時に利用しましょう。 ・同時にクーポンやポイントアップなど、転換率や客単価をあげる準備も必要。 |
ピュアフラットは楽天市場などの大型ECモールで様々なROASの改善事例を持つ企業です。
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楽天広告の種類は多く内容も更新されていくため、通常の店舗運用と並行して運用していくことは非常に難しい状況になっています。
申請から入稿までの作業や運用店舗側での対策が必要であるなど、手間がかかるのも事実ですし、経験の少ない担当者にとってはややハードルが高いかもしれません。
もし不安な点があれば、EC事業をサポートしてくれるマーケティング会社に相談するのもいいでしょう。
楽天市場広告を上手に活用しながら、アクセス人数アップを目指しましょう。
ROASの適正値はどのくらいですか?
業種や業界によって異なりますが、目標とすべきROASは300~500%、最低でも200%と言われています。
ROASとROIの違いはなんですか?
ROASとROIの違いは下記のとおりです。 ROAS=投資した広告費でどれだけ売上を生み出しているか ROI=投資した広告費でどのくらい利益がでいるか どちらも大切な指標なので、定期的に確認するようにしましょう。